Article-6  ASUでの取り組み work on ASU

よりよい建築の実現に向けては、よりよい建築を生み出すマインドをもった若者が世に出て行くことが大切になります。そこで、学生とともに行ってきた、実践的な取り組みについて紹介をさせていただきます。

 

頃寝庵

ごろ寝ができる茶室?を作ろうということではじまりました。木造設計の授業の一環で、学生はまず木組みのサンプルで仕口加工のトレーニングをしたのちに、本番の作業を行いました。わたりあご、長ホゾ込栓などに仕口をつくり、建て方を行いました。竹小舞の竹は大学の中の竹藪で採り、竹割器をつかって割竹をつくり、麻縄で小舞を編んでいます。あえて土壁をつけずに、竹小舞の美しさを見ることができるようになっています。床の掛け軸は、かの有名な「オカザえもん」による書です。w

 

日干しレンガの壁

大学の中で土を掘り、日干しレンガで空間をつくってみようということになりました。土に石灰を混ぜ、型枠に入れて突き固め、陰干しを行います。乾いたブロックをタガネでふたつに割り、割肌が外に見えるように積み 上げました。石や葉っぱ、根っこも少し見えたりして、ワイルドな仕上がりとなっています。

 

 

枝のスクリーン

窓に面して、木でスクリーンをつくろうということで、学生がアイデアを提案し、これを集約してデザインを決定しました。サクラ、ハゼノキ、スギ、竹など様々な樹種の枝や製材品を格子状に並べています。さらに、光が美しく見えたらということで、カラフルなアクリル板のパネルも重ねました。日差しが入ると、枝の影、アクリルの色が床面に映り、

 

土のパッチワーク

土のさまざまな表情、仕上がりを楽しめる壁をつくりました。木材で下地(木擦り)をつくり、荒壁、中塗り、仕上げなどを塗ります。木擦りが見えている部分、荒壁、中塗り、掻き落とし、洗い出し、大津壁などが変則的な四角形を組み合わせて表現されています。

 

土のトイレ

大学の古いトイレを改修するプロジェクトです。大学の土を使い、これを活かして空間を創ることを試みています。仕上げに際しては、国内外のさまざまな手法を用いることで、ローカルな材料を使い、グローバルな技術を活かして表現してみようと考えました。

 

常懐荘ラウンジ

学校法人愛知産業大学の建学当時に大きな役割を果たした竹内ゼンコウ氏の私邸「常懐荘」のインテリアを、愛知産業大学の図書館の一角に、ラウンジ空間として移設、再現するプロジェクトです。床材や腰壁の材料、暖炉やステンドグラス、シャンデリアなどを取り外し、再度取り付けました。壁と天井は、スイス漆喰を塗りました。天井の織り上げ天井部にあった蛇腹は、左官によって再現が試みられています。