設計コンセプト

■幸せな建築

とても漠然としていますが、設計に関わらせていただくとき、みんなが幸せになれる建築づくりをしたいなあと思っています。住み手、使い手の方に幸せを感じていただくのはもちろんです。さらには、作り手や職人さん、その建物を日々見て過ごす方や、素材をつくる方にも。そして、植物や生物たちもが、循環しながら共生できる社会につながっていく、ひとつひとつの建築にしたいと願っています。

■素材への想い

我が国の木材の自給率は2割そこそこと言われていますが、山々に先祖が植えてくれた木々は大きく成長し、伐期を迎えています。杉やヒノキ、松など日本の木を活かしながら建築づくりをしたいものです。

また、東海地方などでは良質の土を得ることができます。 土壁の材料としてだけでなく、仕上げ材料やタタキ土間など左官の技術を用いてユニークな活用が可能ではないかと思っています。

また、竹や 石も古くから建築材料として使われてきました。これら自然素材は、解体後にはそのまま土に還るものであり、環境負荷を最小化するためにもいろいろな可能性を探りたいと思っています。

■伝統的な技術を現代や未来へ

伝統的な建築技術をかつての有り方に忠実につくることも大切であり、昔の建築をこよなく愛しています。その一方で、楽しく、新しい、見たこともない表現としてつくることも面白いと感じます。日本の左官は、技術と美術の要素をひとりの職人が併せもって仕事をしてきました。土と海藻など自然の素材で実に豊かな表現を可能としてきました。人々の生活を豊かにする、持続可能な技術であり、様々な試みをしてみたいところです。

■気候風土とパッシブデザイン

その地域だから、その場所だから、という建築のデザインはあるはずだと思っています。日照や風、気温や湿度などの気候条件、その地域で育まれてきた木や土、それらの素材を活かしながら形成された伝統的な技術と街並みなど。ヨーロッパを旅していいなあと思うのは、そんな歴史的な文脈の中で建築がつくられているからなのかもしれません。古いけど新しい、そんな建築をデザインしたいと思います。

■四季を愉しむ

春夏秋冬、それぞれの季節の気候のなかに喜びがあるように思います。春や秋の

■わくわくするプロジェクト

完成予想図を見て、みんながわくわくして建築に参加できること。家づくりにもわくわくする企画を取り込むことで家族で参加する楽しい思い出づくりの機会にもなります。

地域の施設であれば、できれば見たこともない部分や作り方、参加の仕方などが含まれていたりして、まちづくり、まちおこしもしながら、ちょっと教育にもなったりするような、体験参加型の建築を仕掛けたいと思っています。かつては建築を結でつくっていたように、みんなでつくる建築は祭りの要素も含んでいました。地域の中での結びつきが求められる現代であればこそ、建築をきっかけにできればこれもまたよいのでは。

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相談から竣工までの流れ