Photo: ToLoLo studio
藤川宿(愛知県岡崎市)は、かつて東海道五十三次の37番目の宿場として栄えました。その宿場町の中央部、成就院本堂の北側に位置する「十王堂」は、 昭和34年9月の伊勢湾台風によって屋根などが大きく損壊し、その後簡易な改修を行った状態で長い年月が経っていました。
復原改修にあたり、屋裏の調査、外部のトタンを剥がすなどの調査を行ったところ、改修前の痕跡が随所に見受けられました。桁、梁に仕口が残されており、かつては古写真に見られるような寄棟造であったことを確認しました。痕跡や古写真にもとづいた復原設計を行いました。
十王信仰は、死者が冥途に行くと十王のもとをまわり、生前に行なったことの裁きを受けるというもの。平安末期以降、日本に広く浸透しました。旧東海道沿いには十王堂が点在しており、東海道沿いの景観と十王信仰を伝える建物となりました。
工事種別 | 改修 |
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用途 | 寺院 |
所在地 | 愛知県岡崎市 |
規模・構造 | 木造平屋建て |
施工年 | 2017年 |