小牧市にあった常懐荘(じょうかいそう)は、愛知産業大学の礎を築いた竹内禅扣氏の私邸として昭和8年に建設されました。和洋折衷住宅として、当時の雰囲気を感じられる建物でした。
保全・継承をめざして、イベントなどで多くの方に親しんでいただいてきましたが、最終的に建物の維持が困難となり、解体することが決まりました。
そこで、インテリアの一部を愛知産業大学が譲り受け、学生とともにささやかですがラウンジをつくることになりました。歴史を感じられる新たな憩いの空間として、末長く使い続けられるものにしたいと考えました。
解体前の外観 和館と洋館で構成されています
解体前の内観 シャンデリアや家具、暖炉など素敵なインテリアです
天井の「蛇腹」 この蛇腹も再現できないかと考えました
解体作業と大学内での空間づくり
解体作業と大学内での空間づくりの様子を紹介します。
ドア枠の取外し
パーケットフロアの取外し 数日かけて、床のパーケットフロアーも、きれいに剥がし終わりました。
暖炉風の電気ヒーター さぞモダンな採暖器具だったのだろうと思います。移設してインテリアとして使う予定。
背面を見ると、電線がつながっています。
部材や家具を大学に運び込みます。
リノベーションする空間は、図書館に付属する倉庫でした。(工事前の図書館倉庫の様子)
イケダコーポレーションさんに漆喰を提供いただきました。
漆喰塗りを学生が行います。
大工の中村武司さん(愛知産業大学招聘教授)と有志学生が大工工事を行いました。
学生が見学するなかで「蛇腹」を引く左官の松木さん。固まる前の石膏を型で引いていきます。見事な仕事でした。
蛇腹を引くための型
『常懐荘ラウンジ』完成
ステンドグラスから光がこぼれます ステンドグラスの背面は、既存の硝子ブロック窓
蛇腹とシャンデリア
昭和8年の家具ですが、とても座り心地がよいです。
ステンドグラスがよい感じです。
エッジの効いた蛇腹の仕上がり