2012年にプリッカー賞を受賞した王澍(ワン シュウ)氏が設計した中国美術学院(浙江省杭州市)を見学しました(2017年9月)。この中国美術学院は、王氏の作品が数多く建築されており、ひとりの建築家の、時代による思考と興味の変化、実験の様子が見られてとてもおもしろいです。
山の稜線のような屋根型の建物は、中国らしさを感じる建築できれいでした。伝統的な要素と遊び心と深い思いが混じりあいながら、ほのぼのとつくられている感じが素敵です。
煉瓦や瓦の小口を現しにしながら積み上げる気の遠くなるような表現。ボーダーのラインがリズムをつくってくれる。
スロープが建物の内外を取り巻く初期の作品は、歩いていると視点が変化し、各所の窓から光の取入れられており、自由で楽しい。
屋根全面が瓦小端立てであったりするのですが、この発想は地域の伝統的な集落(周荘など)の民家の屋根が棟瓦の小端立てでこれを参照しているようです。なるほど。
版築と木組みの屋根で表現された建築。
隈研吾氏による民芸博物館 王澍氏の作品に呼応したかのような表現。